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検索ワード : ま行

 それは、とても寒いおおみそかの夜のことでした。あたりはもうまっくらで、こんこんと雪が降っていました。寒い夜の中、みすぼらしい一人の少女が歩いていました。ぼうしもかぶらず、はだしでしたが、どこへ行くというわけでもありません。行くあてがないのです。……
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朗読:未彩紀
  
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 古本屋で買った少し年季の入った料理本に一枚の写真がはさまれていた。今ではなかなかお目にかかれないセピア色の情景。昭和30年代頃の端午の節句の記念写真だろうか。兄妹らしき二人が正座をして写っている。……
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ジャンル:その他
キーワード: / /
小説の種類:
 今から十数年前、勤めている会社が創立三十周年を迎えた。どういうわけか、私は記念行事式典の実行委員になってしまった。ちなみに、私はじゃんけんが弱い。名誉なことだが、少々面倒である。  しかし、やり始めたら、……
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朗読:三日市弓子
  
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ジャンル:その他
キーワード:
小説の種類:
カラフルなマスク
 時計を確認する。 15時54分。バスの時間まではあと25分。バス停までにかかる時間は歩いて10分ってところだからまあ余裕を持ってあと5分くらいで家を出よう。 俺は姿見の前で最後の確認をする。……
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ジャンル:その他
キーワード: / /
小説の種類:
花にとまるモンシロチョウ
 昨日までの雨が上がって空は青く澄んでいる。洗濯物を干しながら5階のベランダから下を覗くと、中庭の公園で遊んでいる子供達の姿が見えた。数か月前保育士を定年退職した私にとって、……
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朗読:柴田早苗
  
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ジャンル:青春
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小説の種類:
野球のボール
 中日の抑え投手が最後を締めて、試合は22時過ぎにやっと終わった。ソフトバンク打線は九回も簡単に引き下がってくれず、私が勝利を確信して帰り支度を始められたのは、ゲーム終了より少し前、……
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朗読:二宮信也
  
星の女子さん
ジャンル:恋愛
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小説の種類:
マスク
「女性必見! 小顔マスク」と書かれたポップを、目を細めてジッと見る。マスクをするとどうしても眼鏡が曇ってしまうため、今日も眼鏡を外していた。「マスクして袴着るってこと?……
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朗読:岡本理沙
  
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履歴書
 ずっとこの日々が続くのだと勝手に勘違いしていた。 でも、そんなことは無くて、日常と呼べるものは常に変化していて、それに僕は気付くことができなかったんだ。 僕とタケルは遊んだあと金の時計の前で談笑をしていた。 「俺は、就職が決まったよ」……
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朗読:竹内裕二
  
Theater BamBoo
キーワード: / /
小説の種類:
路地
 今日も仕事を終え、そのまま家路につく。そのつもりだったが、少しいつもと違う道で帰ろうとふと思った。いつもより早い時間に帰れたこともあるが、要は気晴らしがしたかったのだ。こうしたことは、たびたび自分の中でおこる。……
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朗読:柘倫司
  
劇団名芸
キーワード: / /
小説の種類:
スマートフォン
「やっほー、元気?」 スマホに映る加奈に手を振った。加奈は疲れた表情で口元だけで笑った。 加奈は看護師だ。子どもが幼いこともあり、今は総合病院で外来患者の診察時間のみ勤務している。……
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空港のスカイデッキ
 右も左もわからない空港を、買ってもらったばかりのスマホを片手に走る。財布にありったけのお小遣いを詰めてセーラー服のまま学校を飛び出した平日の昼間。そのままの恰好の自分がやけに目立っているような気がした。……
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ジャンル:ファンタジー
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小説の種類:
体育倉庫
 「モリー」 体育倉庫に駆け込むと、美玖は息を整えながら呼びかけた。すると跳び箱の隅の影が微かに揺れる気配がして、美玖はホッとした。影に近づき、膝を抱えて座り込む。走って来たせいですぐに話し始める事ができず、……
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朗読:鞍本里都
  
試験管ベビー
ジャンル:歴史・時代
キーワード: / /
小説の種類:
夏の草むら
 松川の渡し近くまで来たところで馬を下り、手綱を近くの木に括り付けた。庄内川のほとりだというのに風もない。日差しは強く、蝉の鳴き声が、絶え間なく響き続けている。石に腰掛け、笠を取り、竹筒の水を飲み干した。……
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朗読:松本英司
  
ポカラの会
ジャンル:恋愛
キーワード: /
小説の種類:
焼き鳥
 「30歳までに相手が居なかったら、君と結婚してあげよう。」 危うく、焼き鳥を気管に入れてしまうところだった。彼女はそんなボクにお構いなく、「檸檬サワー1つ!」と店員に頼んだ。 「はあ。冗談言うのはやめてくれよ。……
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ジャンル:ホラー
キーワード: / /
小説の種類:
入道雲
 新しい就職先が決まった。その会社は名古屋の実家から通えるところで、仲田美咲は荷物と共に帰ってきていた。 窓のそばの街路樹では、セミが身をよじるようにして鳴いている。地下鉄の駅まで徒歩十分の住宅街。……
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作者:
ジャンル:その他
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小説の種類:
水の宇宙船
今日も僕はここに座っている。ここは宇宙船、僕の好きな場所だ。宇宙船の端っこに腰掛け、流れる水の音を感じながら空の星たちを見上げパソコンの画面を開く。夜空に浮かぶ星は綺麗に見える。星は夜にしか見えない。……
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本棚
 見慣れた街が時々、見飽きた街だと感じられることがある。街並みの所々がほころび、そこがまた縫い合わされて、修復されて、少しだけ変化することはしばしばあるけれど、ぼんやりとしていたら気づかないほどにその変化は小さく、緩やかであるので、この街はいつまでも変わらないな、なんて思うのだろう。……
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朗読:高場哲也
  
劇団うりんこ