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キーワード : 日常

高三の二月の下旬。私は梅が好きだけど、今年は咲くなと願っていた。梅が咲くのは卒業式のころだから。咲けば卒業式がやってくる。そして卒業したらチカが地元を離れて東京の大学に行ってしまう。……
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ジャンル:その他
キーワード: /
小説の種類:
雨上がりの木漏れ日
今日の天気は雨。春はもうそこなのに桜は焦れったく、まだ咲く気配はない。天気予報で、傘を忘れないように教えられて、やっとあの新しい傘をさせる日が来たと心の中でガッツポーズ。多分この時から、……
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朗読:水野詩織
  
フリー
ジャンル:青春
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小説の種類:
夕焼けシルエットの男女
俺は走った。とにかく走った。そして、俺は敗れた。 息を整えながら無人のバス停に辿り着いた俺はスマートフォンを取り出して時間を確認する。 18時16分。 俺の通う大学は最寄りに電車の駅がなくてその代わりに……
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ジャンル:その他
キーワード:
小説の種類:
スーパーの商品棚
男は焦っていた。時計を確認する。19時45分を少し過ぎたころ。いつもとは違う番号の地下鉄の出口を抜けてそのまま信号を1つ渡ったところにあるのが男の目指す目的地だ。それにしても寒い。信号を待つ間男は手の平をすり合わせる。……
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キーワード: /
小説の種類:
居酒屋
 人はなぜ働くのか。日々、会社の呑みの場や喫煙所で問いかけている。疲れからか瞳にほぼ生気が宿っていない同期曰く、食べていくため。活力全開といった様子で、爽やかに仕事をこなす優等生タイプの部下曰く、……
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朗読:西尾武
  
猛烈キネマレコード
キーワード:
小説の種類:
晴れた夏空
「あんた少しは大人になりなさい」 いつしか、母親にはそんなことを言われる年齢になっていた。さっきまで子供でいても許されていたのに、急に自立を促されるこの子供と大人の狭間の18歳。 「あなたは進学するの?……
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朗読:扇谷裕子
  
喋便朗
ジャンル:その他
キーワード: /
小説の種類:
鉛筆を持つ手
「私は昨日日本語を勉強する」これだとね、まだ文として不十分なんだ。最後のところを、「勉強した」に変えてみようか。」 何度教えても、同じミスをする。先週と比べて、この生徒はどれだけ成長したのだろうか。……
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キーワード: / /
小説の種類:
バニラのアイスクリーム
 この秋九十四歳になった父。数年前に散歩の途中で転倒し、徐々に始まった認知症。やがて頭の中から昼夜の区別が消え、曜日が消えた。大好きだった本も「意味が分からん」と読まなくなり、うんちを時々廊下にこぼすようになった。……
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朗読:大谷勇次
  
劇団うりんこ
ジャンル:恋愛
キーワード:
小説の種類:
陽が差し込んでいるカーテン
 古漬けの沢庵を細かく刻んで、ほかほかのご飯に混ぜる。 長辺が長めのタッパーにラップをしいて、青じその葉と、瓶入りの鮭フレークを底に敷き詰めるように入れる。 上から沢庵ご飯を、ぎゅうぎゅうに詰める。……
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朗読:みちこ
  
劇団あおきりみかん
芝の上にある野球ボール
 本当は逆なんじゃなかろうか。両手をメガホンにして声を張り上げていた私は、ふと我に返った。目の前で繰り広げられるプロ野球の試合に熱狂的な声援を送る私。その隣の席で熱心に本を読みふける父親。……
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ジャンル:その他
キーワード:
小説の種類:
大学の建物の外観
 目が覚める。スマートフォンを手繰り寄せて確認すると10時21分だった。両親は既に出掛けていた。家から大学まではどう頑張っても1時間はかかる。2限(11時から)は諦めよう。人間潔さが大事だ。……
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朗読:高橋みつる
  
喋便朗
ジャンル:ファンタジー
キーワード: / /
小説の種類:
びわの木
 我が家の庭にはびわの木がある。僕が6歳のとき、学校の給食で出てきたびわの種を庭に植えたのだ。それから10年、びわの木はすっかり大きくなり、今も庭の一角を我が物顔で占領している。……
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朗読:二瓶翔輔
  
フリー
ジャンル:その他
キーワード:
小説の種類:
ういろう
 商店街に面した古い木造の和菓子屋はとても人気がある。 そこの名物はなんといっても、ういろうだ。このういろう目当てにいつでも店には人が絶えない。 そんなういろうにはある秘密があることを私はある時知ってしまった。……
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キーワード: / /
小説の種類:
エビフライの定食
昔、私が伏見のOLだったころの話。休日に納屋橋あたりをぶらついていると、古さびた雑居ビルに見慣れない定食屋があるのを見つけた。看板には、安っぽい筆字で「笑華亭」と書かれている。……
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朗読:橘朱里
  
優しい劇団
ジャンル:恋愛
キーワード: / /
小説の種類:
ナポリタン
 11時45分。昼休み開始のベルがオフィス内に響き渡ると同時に、財布と携帯を手に取り私は駆け出した。 毎週水曜日、喫茶「ナポリ」の日替わり定食のメニューは、「ナポリタン定食、スープサラダドリンク付き、……
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朗読:高島絵里
  
劇団うりんこ
ジャンル:その他
キーワード:
小説の種類:
カラフルなマスク
 時計を確認する。 15時54分。バスの時間まではあと25分。バス停までにかかる時間は歩いて10分ってところだからまあ余裕を持ってあと5分くらいで家を出よう。 俺は姿見の前で最後の確認をする。……
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ジャンル:青春
キーワード: / /
小説の種類:
蓮の花
 またとばっちりだ。いや、半分は自分の意思だけれど、人を放っておけないのは性分で自分でもコントロールできないことだから、やっぱりとばっちりだ。 ガムが合唱コンクールの練習を抜け出した。……
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朗読:尾崎優人
  
優しい劇団
作者:
キーワード: / /
小説の種類:
茶器と茶筅
 紅葉が終わりかけの名古屋市南部の、とある神社の一角。 今月も、手水舎で清めのルーティンから。掬った水を掌にかけると、その冷たさで身が引き締まる。もう一度水を掬い、今度は口を清めようとするが、……
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朗読:上田定行
  
フリー
キーワード: / /
小説の種類:
閉店したテナント
 わざわざ遠くまで自転車を走らせてここまで来たけど、劣化して剥がれた紫色の壁は明らかに古臭くて、記憶のそれとはあまり一致しなかった。店の入り口に大きく「ご愛顧ありがとうございました」と派手な文字が飾ってある。……
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朗読:小野寺マリー
  
優しい劇団
キーワード: / /
小説の種類:
寝転んでいるパンダ
 パンダって、なんかおっさんみたいだな。 なんでこんなに人気なんだろ。 就活のストレスを晴らしに動物園に来た。 いつもやたらと人気なことで有名なパンダ舎だけど、平日の閉園間際ということもあって人だかりのピークも過ぎているみたいだ。……
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