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キーワード : 親子

 古本屋で買った少し年季の入った料理本に一枚の写真がはさまれていた。今ではなかなかお目にかかれないセピア色の情景。昭和30年代頃の端午の節句の記念写真だろうか。兄妹らしき二人が正座をして写っている。……
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ジャンル:ホラー
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小説の種類:
お内裏様とお雛様
我が家には、代々伝わる雛人形がある。とても立派な七段飾りで、私の祖母の時代からあったその人形は、今は私の八歳の娘のために飾られている。長い時代を生き抜いてきたお人形たちは、令和の今も変わらず凛とした威厳をたたえて、……
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芝の上にある野球ボール
 本当は逆なんじゃなかろうか。両手をメガホンにして声を張り上げていた私は、ふと我に返った。目の前で繰り広げられるプロ野球の試合に熱狂的な声援を送る私。その隣の席で熱心に本を読みふける父親。……
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青空と田んぼ
 毎年お盆になると、母と一緒に叔父さんの家に行く。叔父さんの家は羽黒にあって、私の住んでいる名古屋の景色とは全然違う。ビルはなく、平屋が多くて、坂道がなくて川がある。田んぼや畑が広がっていて、……
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ジャンル:その他
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小説の種類:
夜空に浮かぶ月
 なんだってきょうは、こんなに混んでいるのだろう。 ホームは人でいっぱいだ。 アイドルの名前入りの、大きな団扇を持った女の子たち。 青い野球帽にバット型のメガホンを首にぶら下げた家族連れ。……
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朗読:千賀利緒
  
優しい劇団
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小説の種類:
菖蒲の花
 夢の続きはどうしたら見られるのだろう。 パタン、と本を落とした音でまどろみから覚める。 断続的な震動が続く平日昼間の電車内。湿気に曇った窓の向こうで、7月の雨に晒された田園風景が流れている。……
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朗読:加藤K子
  
ほんわかシアター
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小説の種類:
リニア
「銀時計に人を集めるにはどうしたらいいと思う?」 僕がそんな突拍子もない質問を捻り出したのは、気まずい空気をなんとかしたかったからだ。「あっちは広場じゃないから人が集まらないんじゃないか?」……
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朗読:中尾達也
  
オイスターズ
パソコンとお菓子とマグカップ
 若さは無敵だ。 そんな当たり前の現実に直面し、40代半ばの私は、パソコンを前に、一人で勝手に打ちひしがれている。ふと、手元に視線を落とすと、マウスを動かす手の青い血管が目立つようになった気もするし、……
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朗読:みなみ津姉
  
つねプロデュース
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小説の種類:
お香
 「ねえ、うちにも芳香剤置こうよ」 学校から帰るなり高2の娘リカが言った。 「うん」 澪子は返事だけしてリカの方を振り向きもせず、パソコンを打っていた。慣れないリモートワーク。仕事は溜まるばかりで、……
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朗読:田中峰子
  
STRINGS
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小説の種類:
迎え火
 一九八九年。市営住宅の夏はやはり暑い。 僕の家はA棟からR棟まである市営大幸住宅のG棟にあった。四畳半と六畳の二間に、台所、便所、風呂だけの家。和式便所で、風呂にシャワーは付いていなかった。……
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小説の種類:
味噌煮込みうどん
「いらっしゃいませーーーーーーーーーーーー」 どこまでも伸びゆく、威勢の良い二代目男性店主の声。 その声すらもここ、味噌煮込うどん屋の、味であると気づいたのはいつからだったか。……
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朗読:西本智至
  
劇団サラダ
ジャンル:歴史・時代
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小説の種類:
古い人物写真
 天保六年、十一代将軍家斉の治世下。年の瀬も押し迫った師走の昼下がりのことだった。 美濃国高須三万石、松平摂津守江戸屋敷内の剣術道場では、少年剣士たちの稽古が行われていた。その中の一人、……
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朗読:原田邦英
  
フリー
ジャンル:ファンタジー
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小説の種類:
温室の中
最近、母さんにかまわれてない気がする。 日曜の昼下がり、宿題を終わらせてランドセルの新しい傷を指でなぞっていると、リビングでうるさい電話が鳴った。うちは掃除ロボットや最新のオーブンレンジが揃っているのに、……
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朗読:丹羽美貴
  
劇団うりんこ
ジャンル:コメディ
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小説の種類:
ケアハウス
 「ねえちゃんに夕方から何べんも電話しとるけど…そっちに行っとる?」叔父からの電話だった。「また受話器はずれとるんだわ。すみません、今見てきます。おじさんお元気そうですね。」部屋着のまま、……
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朗読:入江靖子
  
人形劇団むすび座
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小説の種類:
満員電車
 誰だって満員電車は嫌だと思う。いまの職場に勤めて4年、どんな嬉しい日も、ホームに飛びこんでくる満員電車を見るとげんなりする。何も考えない。僕はただの石だ。ただの石が満員電車に揺られるだけ。だから、休みの日くらい、……
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朗読:youu-ji
  
演劇人冒険舎
キーワード: / /
小説の種類:
真夜中の駅
 あの時、ぐっすり寝ている、まだ小さな子どもの私を起こしたのは、母だった。 「起きて。着替えて」 居間には、既に私の衣服が並べられていた。 「さっ、早く。出掛けるよ」 寝ぼけ眼で、ズック靴を履いた。 ……
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朗読:いのこ福代
  
フリー
ジャンル:歴史・時代
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小説の種類:
ラクダ
 文政十年 一月晦日 あす父さんとらくだを見に行く。 とても楽しみだ! 去年、らくだが大須の見世物小屋に来たとき、うちの寺子屋じゃ呉服屋の国松だけが見に行っていて、自慢されまくったやつだ。……
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朗読:道家一子
  
演劇人冒険舎
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小説の種類:
画用紙に描いた絵
 職場とウィークリーマンションの往復生活が始まって何週間が過ぎただろうか── 疲れすぎてお風呂に入るのも億劫だ。 アルコール消毒をし過ぎた手は所々が赤くなっている。 「あ、電話しなきゃ──」……
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キーワード: / /
小説の種類:
バスターミナル
 父親には一生会うことはないと思っていた。別れて以来、養育費も無し連絡も無し靴下一つ送るで無し。どうやら今はハゲてるらしいよハハハ。疎遠になっている父親を母娘でくさして楽しんだ。本当は会ってみたかったのだと思う。私の半分を作った人に。……
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朗読:竹内晶子
  
フリー
ジャンル:青春
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小説の種類:
カレーライス
 終電が無くなると繁華街も静かなものだ。看板や照明もほとんど消えて薄暗くなった駅前の通りには怪しげな人影が疎らに見えるだけだった。それと、ベンチに座って読書するホームレスらしき男がひとり。……
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朗読:吉田篤司
  
人形劇団むすび座