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カテゴリー : ヒューマンドラマ

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小説の種類:
空港
 ハノイ・ノイバイ国際空港。ベトナムでの仕事を終え、私は名古屋へ帰国する。 搭乗手続きを待つ、私の前後には、お揃いのポロシャツを着た若者たちが、いくつかのグループに分かれ並んでいた。……
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作者:
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小説の種類:
シロツメクサ
 朝、目覚めて鏡を見ると、右目のまぶたに大きなデキモノができていた。 化粧で隠せるものでもなく、仕事を休むわけにもいかず、憂鬱な週の始まりだった。自宅を出る前に夫と会話をしたのは、5回・・・・いや、4回だったか。……
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朗読:堀優子
  
劇団劇座
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小説の種類:
キュウリの花
 松本茂雄は、深夜に短編小説の着想がわき、小玉電球をつけて、枕元のメモ用紙に書きつけた。隣で寝ている老妻の美菜子が、小玉をつける音に気づかずに寝息を立てている。 朝飯を食べるとすぐに原稿用紙を取りだして執筆し始めた。……
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朗読:小澤寛
  
office KAN
アフリカゾウ
 東京から二十年ぶりに名古屋へ帰ってきたとき、真っ先にすべきは東山動物園にきみを訪ね、きちんと挨拶することだったのだ。 二十年前、僕は妻ともに名古屋の賃貸マンションに住んでおり、夫婦仲はよくなかった。……
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小説の種類:
画用紙に描いた絵
 職場とウィークリーマンションの往復生活が始まって何週間が過ぎただろうか── 疲れすぎてお風呂に入るのも億劫だ。 アルコール消毒をし過ぎた手は所々が赤くなっている。 「あ、電話しなきゃ──」……
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小説の種類:
活けた花
 人が亡くなったら、棺桶いっぱいに花を入れて。 それから一晩経ったら、最後のお別れをします。 あなたとの思い出はたくさんあります。ですが、あなたとの最後の記憶は、花のいい匂いがいっぱいに広がった、……
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朗読:竹内晶子
  
フリー
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小説の種類:
バスターミナル
 父親には一生会うことはないと思っていた。別れて以来、養育費も無し連絡も無し靴下一つ送るで無し。どうやら今はハゲてるらしいよハハハ。疎遠になっている父親を母娘でくさして楽しんだ。本当は会ってみたかったのだと思う。私の半分を作った人に。……
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朗読:竹内晶子
  
フリー
キーワード:
小説の種類:
熱田神宮
 負けるはずのない形勢だった。俺は、『俺がいつも勝っているやつ』に敗れてしまった。小学校5年生の時に、俺は熱田神宮で開催される将棋大会に出場した。予選とトーナメントを勝ち抜き、壇上で決勝戦を対局した。……
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ジャンル:ファンタジー
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小説の種類:
大きな樹
昭和17年4月、岡本忠雄は父親に付き添われて興文国民学校に入学した。入学式が終わって校門を出るとき、校門の近くに高さ8メートルぐらいの木が生えているのに気がついた。「父さん、大きな木やね」「楠だよ。樹齢百年や」……
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朗読:ティナ棚橋
  
劇団サラダ
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小説の種類:
柳橋中央卸売市場
十二月三十日。午前六時。名古屋駅から徒歩十分の柳橋中央卸売市場、マルナカショッピングセンターの中は、殺気をはらんだ喧騒に満ちていた。まだ陽も昇らぬ時間だというのに、ショッピングセンターの通路は買い物客で溢れかえっていた。……
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朗読:末吉康治
  
劇団劇座
スーツの仕立て屋
元号が平成になっても、大須はあいかわらずシャッター通りだ。 港座、太陽館、東洋劇場…東海一の映画街は消え去り、今やパチンコ屋だけがジャラジャラピカピカと賑やかだ。 俺はこの街でスーツの仕立て屋をやっている。……
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キーワード: /
小説の種類:
自転車置き場
平日の朝、鶴舞に来るのは久しぶりだ。桜は満開に近いが、人はまばらだ。徹夜で場所取りをしている人の姿もない。平成二十四年当時、私は鶴舞駅から徒歩二十分のオフィスで働いていた。……
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朗読:松本広子
  
劇団劇座
作者:
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小説の種類:
夜道
「今月いっぱいで辞めてもらいたい。」 突然の宣告だった。なんとなく決めた、ガールズバーのバイト。特別熱心に営業をしていたわけではないけど、私なりに一生懸命働いてきたつもりだった。働いて3年目になろうとしていた。……
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作者:
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小説の種類:
窓辺
少女が近づく。 「わたし、これがいい!」 弾んだ声とともに、少女は私を抱きかかえた。 「これ、ください。」 私は少女の手を離れ、大人の大きな手の上に乗った。 「いらっしゃいませ。」 その人は、お客さんが来るといつも笑顔だった。 しかし、私は知っている。……
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朗読:長谷川南
  
劇団うりんこ
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小説の種類:
タクシー乗り場
人の出会いは不思議である。偶然のような必然。必然のような偶然。長い人生の中で、どれだけの数の人に出会うのだろう。名前も知らないすれ違う人、自分さえ分からない自分の一面を知ってくれる人・・・……
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キーワード:
小説の種類:
本棚
 仕事人間の父が、突然、「明日から休みをとったから、温泉でも行くか」 などと言い出したのだから、そりゃ何かあるんだろうとは思った。 高3の夏になっても志望校も決めずにいる僕にしびれを切らして、夜通し説教でもするつもりなのかと勘ぐったりもした。 だが、まるで違った。 「肺に腫瘍……悪性……母さんが……?」……
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本棚
 見慣れた街が時々、見飽きた街だと感じられることがある。街並みの所々がほころび、そこがまた縫い合わされて、修復されて、少しだけ変化することはしばしばあるけれど、ぼんやりとしていたら気づかないほどにその変化は小さく、緩やかであるので、この街はいつまでも変わらないな、なんて思うのだろう。……
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朗読:高場哲也
  
劇団うりんこ