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著者 : Voicy Novels Cabinet 事務局

たくさん並んだ焼き菓子
 地下を出た黄色ラインの地下鉄を、終点の一駅手前で降りる。日曜日のお昼時、利用客は多くない。初夏の風が、淀んだ私を爽やかに洗う。 気がかりは消えないけれど、気持ちは幾分か晴れていく。……
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朗読:佐和ぐりこ
  
オレンヂスタ
ジャンル:コメディ
キーワード: / /
小説の種類:
エビフライのサンドイッチ
 わたしは今、人生の壮大な目的を果たすために、名古屋へと向かっている。それは、長年夢見ていたことで、でもなかなか一歩を踏み出せていなかったことだった。しかし、自分から行動を起こさなければ、……
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街なかのタクシー
 私はタクシーに乗り、行き先を告げる。運転手の名前に見覚えがあった。「もしかして、タケシか?」と聞いてみた。「やっぱりそうだよな」と運転手が笑顔でこちらを向いた。 東京から出張で実家近くの名古屋に来ていた。……
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朗読:田内康介
  
オイスターズ
キーワード: / /
小説の種類:
甘夏の入ったソーダ
 店の経営が難しくなってきた。 誰でも気軽に田舎の味を楽しんでもらおうと、一念発起して大須にレトロな大衆食堂をオープンしたのが3年前。会社を辞めて、起業するには勇気がいったが、……
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朗読:長縄都至子
  
劇団きまぐれ
定食屋のカウンター
 ――ああ、まただ。こうなるんじゃないかと思ってた。「残念ながら、今回は落選ということで……」 予測していたとしてもショックは大きくて、選評を聞いたはずが内容はほとんど覚えていない。……
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朗読:中田裕子
  
フリー
キーワード:
小説の種類:
体温計
「あ」 桜の名所、鶴舞公園。 つい声がもれたのは、線路下をくぐって飛び込んでくる満開の桜に歓声を上げたのではなく、去年の事を思い出したからだ。 去年の今ごろも桜は綺麗に咲いていた。……
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キーワード: / /
小説の種類:
虫メガネで手相を見ている
 衣替えもとうに終わり、来るべき夏の予定に人々が胸踊らせるそんな7月初旬の午後。ここ「ミント」には一時の涼を取ろうと薄着に身を包んだお客たちが続々と足を運んでいる。 「奈緒ちゃん、ナポリタンあがったよ。」……
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朗読:田村早紀
  
フリー
ジャンル:恋愛
キーワード:
小説の種類:
パーティー会場のワイングラス
「ライン、聞いてもいいですか?」婚活パーティーに行く。何人かの女性と連絡先を交換する。ラインで一言二言やりとりする。それで終わり。誘っても既読がつかなくなったり、返事が返ってこなかったり。……
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朗読:内田成信
  
劇団うりんこ
キーワード: / /
小説の種類:
芝生
 四月のある日、その日は天気がとても良かったのでコンビニで購入したお弁当を家の庭で昼ご飯として食べていた。バイト帰りなので十四時過ぎと遅めの昼ご飯。 暑くもなく、寒くもない丁度いい気候だった。……
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朗読:内藤美佐子
  
演劇人冒険舎
ジャンル:ファンタジー
キーワード: / /
小説の種類:
田んぼの中にある鳥居
私は今、死ぬために、まっすぐな田んぼ道を歩いてる。この先には線路があり、そこを目指していた。清々しい晴天が恨めしかった。 昔から要領が悪かった。何もかも上手くいった記憶はなく、周りとの差を感じ、常に劣等感を抱いていた。……
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朗読:成田けい
  
フリー
包丁を使う手元
 誰もいない厨房で石黒さんは包丁を研いでいた。腰をくの字にし、屈み込むようにして砥石に包丁を滑らせる。リズムよくシュシュと音が鳴る。時々包丁を目の前に持ってきて刃の付き具合を確認する。……
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朗読:ながたひとし
  
さんさん劇場
青空と名古屋城
「名古屋って特に何もないしなぁ」 まただ。 俺は何度も聞いたセリフに辟易した。大体予想はしていたものの、こう何度も続くと名古屋に来たのは間違いだったのではないかという気さえしてくるってもんだ。……
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朗読:福田勝明
  
フリー
パソコンとお菓子とマグカップ
 若さは無敵だ。 そんな当たり前の現実に直面し、40代半ばの私は、パソコンを前に、一人で勝手に打ちひしがれている。ふと、手元に視線を落とすと、マウスを動かす手の青い血管が目立つようになった気もするし、……
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朗読:みなみ津姉
  
つねプロデュース
富士山の形の滑り台
 月曜日の昼下がり、東京の兄と一緒に住んでいる母のケータイから電話があった。「いま名古屋に来とるでねぇ」 急な連絡でビックリした。 「家まで来たけど無くなっとるでかんわ。何もかんもあらせん。……
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朗読:益川京子
  
フリー
ジャンル:ファンタジー
キーワード: /
小説の種類:
ハートを射抜く矢
春は恋の季節だから、キューピットにとって一年で一番忙しい。それにもかかわらず、エリートのXは女に見とれてビルに激突して、あげくに入院してしまった。「あいつは何をやってるんだ! 二時に矢場町のホテルで仕事があるのに」……
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朗読:高場哲也
  
劇団うりんこ
ジャンル:ファンタジー
キーワード:
小説の種類:
テレビ塔を見上げる
 水筒から元カレが出てきた。 本当のことだけど、信じられない。 ついさっき、部屋の大掃除を始めたら、クローゼットの奥からなぜか水筒が出てきて、これって新品かな?と思って蓋を開けた。そうしたら、なんと、……
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朗読:村井美奈
  
劇団うりんこ
ジャンル:童話
キーワード: / /
小説の種類:
ツマグロヒョウモンチョウ
 春休みのぼくのお手伝いは庭の水やり。ママの大事にしているパンジーやビオラは特に念入りにやる。「あれ、葉っぱが虫に喰われて穴だらけだ」ぼくは鉢を持ち上げて、あちこちから眺めた。「うわっ!毛虫!」……
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シャンパン
 熱田神宮の、奥のお社が、とにかくすごい。と、同僚から噂を聞き、わたしは早速翌朝、電車を乗り継いで、その場所へと向かった。 わたしは今、名古屋市内で会社員として働いていて、ある日、……
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ジャンル:恋愛
キーワード: / /
小説の種類:
夫婦の後ろ姿
 私の女房は名古屋出身である。出会ってからすでに四半世紀を優に超えた。知り合ったきっかけは、私が勤めていた名古屋の接骨院に彼女が患者として来院したことである。その時彼女は23歳という若さで、……
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ジャンル:歴史・時代
キーワード: / /
小説の種類:
着物を着た後ろ姿
 雨上がりの境内は、静寂に満ちていた。 熱田神宮の第一鳥居をくぐり、東に向かってまっすぐに歩く。足を踏み出すごとに砂が音をたて、熱田の杜に静かに響いた。 雨上がりの早朝ということもあって、……
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朗読:光本基江
  
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